新東京 (shintokyo) - 濡溶 (juyo) lyrics
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[intro]
「さようなら。」
全てが砂に消えてしまった朝は、やけに清々しい空気に満ちていた。
うす汚い文庫本を手に取り、パラパラとページをめくる。
やがて一体どこまでが自分を表す領域なのかが、分からなくなってしまう。
自分と外界を隔てる”布のようなもの”が靡き、ぼんやりと滲んでいく。
今思えば、昨日彼女にしたことは、この上なくひどいことだったような気がする。
儀式的にあついコーヒーをすすると、布の内と外は、より一層滲んでいく。
[verse]
か弱い声で誰かの名前を呼んだ
深い森の奥底もう ここには誰もいない
[chorus]
外の世界に濡れた身体ごと
溶け出して、溶け出して、溶け出してゆく
さっきまでの自分にそっと別れを告げて
二人包んでいた熱も ついに跡形さえも全て消え失せて
[outro]
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