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vermillion-d alice syndrome - 斑 (madara) (kanji) lyrics

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都合良く繋ぎ合わせた季節のなかで微睡み続け
次第に深く沈んでいく
それはとても心地が良く
二度と目覚めなくともいいとすら思えた
覚醒を厭う 子守唄が聞こえる
深い、意識の奥

おやすみなさい――

廻り始めた 時計の上で
踊り疲れて 瞼を閉じた

いつも 独り 唄っていた
ずっと ずっと 凍えたまま
嗚呼 深く 深く 沈んだ先
私を見つけた

歪み始めた 景色の中で
輪郭の無い 声が呼んでる

遠く遠く 魔法の国へ
きっと ずっと 戻れないと
嗚呼 探していた 鍵を取って
小さく笑った

名も無き夢と 重ね合わせた記憶に
囚われて 私は 孵らぬ
まだ 捨てきれぬ 思いに揺れている
求めていた 降り注ぐ 光の雨に濡れながら

流れ 流れていく 惑いの果て いずれ
忘れゆく 季節を 知らぬまま
嗚呼 今も

現との境界は曖昧になり
次第に意味を失っていく
虚実入り混じった渦の中で
最後に残ったものに 彼女の名を与えた

後背は暗き 陰は震え 声を嗄らし 啼いている
在りし日の残映よ 私はもうそこにはいない

彷徨い続け 蒼い森の奥
荊の鳥が啼く
光と闇が絡み伸びていく
溢れて 空を仰ぐ

「大界を大殺し眺めを手にした果ては 底からの眺めが望みだと」

【file. 701048】

「現実という認識は
己の精神が囚われている空間に従属する感覚の一種だ
それらを現実と知覚し 現実たらしめているものは脳髄であり
ならば 脳髄の中にこそ現実は存在するのではなかろうか
然るに 精神の解放をもって 現実の在処もまた移りゆく」
【file. 704801】

「現実は夢であり また夢は現実である
代償は決して安くは無いが これは彼女が望んだものだ
究極の自由を手にした彼女にとって
物質的な存在はとうにその価値を失っている
故に喪失ではなく 単に不要なものを棄てただけに過ぎない
そう 彼女こそが 真の超現実主義者(リアリスト)と呼べるものなのかもしれない」

「さて――君(かのじょ)は今、何色の妄想(ゆめ)を見ているのだろうか?」

rest in…

――享楽愉悦――

此処はなんて楽しい場所でしょう
飴のように甘く 硝子玉のように綺麗な時を
いつまでも いつまでも
愉快だ 愉快だ
幸せだ 幸せだ

終わりも始まりもない
永遠とも異なる 時の停滞に身を委ねる
色無き夢よ
色褪せた記憶よ
ささめく死者よ
ざわめく闇よ
廻る 廻る 紅い月よ
祈り 瞳を隠して
大人になれないまま
静かに 漂い続け

嗚呼 廻る 紅い月よ
錆び付く 心を隠して
眠れぬ夜を越えた
華麗な 魔法は解けない

そうさ望みを交換しよう
魔法の切符があるのさ
私が小瓶の中を覗くと夢色の輝きが揺れていた
生まれて始めてみた色は ただただ美しかった

表裏ではなく 内外でもない
自我より生じた 認識の狭間へと落ちていった
もはや眠りという行為ではなく 夢という現象の一部だ

君よ 望みは叶ったか――

名も無き夢と 重ね合わせた記憶に
囚われて 私は 孵らぬ
もう 捨て去った 想いは儚く
求めていた 降り注ぐ 光の雨は止まない

夢は 白く霞んだ追憶
閉ざされた 扉は開かぬ
嗚呼 甘きに落ちて 躯は朽ちて
痛みと 幸せな嘘
二度とは醒めぬ 空虚(ねむり)の中

「それは果たして
本当に幸せなことだったのだろうか
今はもう 知る術はない」



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